ロシアによるウクライナ侵攻への抗議

ロシアのウクライナへの軍事侵攻に強く抗議し、
即時撤退と対等な和平交渉の即時再開を求める

 2月24日、ロシアは隣国ウクライナへの軍事侵攻を強行した。3月4日現在、ウクライナでは既に 2,000人以上の民間人が死亡し、隣国ポーランドなど国外に逃れた難民は100万人を超えてい る。ロシア軍は、首都キエフ一帯のテレビ塔や発電所などインフラ施設への砲爆撃を繰り返し、同国第 2の都市ハリコフも連日の激しい爆撃を受け陥落の危機にある。南部のヘルソン州は既にロシア軍に制 圧され、暴動と混乱、略奪などが市中に拡大している。

   プーチン大統領は、ウクライナの一部を独立国と承認し、そこから要請があったという形で軍事侵攻 を正当化している。しかし、一方的に「独立」を認めた地域や集団との「集団的自衛権」など国際法上 存在せず、ウクライナを主権国家と認めない傲慢な態度は多様性や共存を全否定するものであり、国際 的にも受け入れられない。加盟国の主権、独立、領土の尊重、武力による威嚇の禁止を明記している国 連憲章に反し、ロシア自身も合意し、関係国間で結ばれたたミンスク合意(2014年、15年)さえ 踏みにじるもので、プーチン大統領による極めて悪質な蛮行以外の何ものでもない。

 ロシアは世界屈指の核保有大国であり、今回の軍事侵攻をめぐっても、プーチン大統領は核の力によ る威嚇を繰り返し、「力による一方的な現状変更」の姿勢を強めている。2月19日に実施した軍事演習では、核弾頭搭載可能な大陸間弾道ミサイルや極超音速ミサイルを発射した。また、ロシア軍はチェルノブイリ原発を制圧するとともに、ウクライナ南東部のザポリージャ原発にも攻撃を加えている。こ れらの蛮行は、地球規模の核の応酬や全世界的な放射能汚染へとエスカレートしかねない危険極まりない行為であり、地球そのものの存亡を脅かす歴史上最大の冒涜行為であると断じざるを得ない。

 年々激化する自然災害の脅威や、長引くコロナパンデミックのもと、われわれ公務公共労働者は住民の命を守るために全力で奮闘してきた。世界中のどこで行われようとも、私たちが日夜、必死の想いで 守ろうとしているかけがえのない「いのち」を踏みにじる蛮行は断じて許すことはできない。また、ウクライナ危機を口実とした敵基地攻撃の検討や核共有など言語道断であり、憲法9条を骨抜 きにするような策動には断固として反対する。

 われわれは、ロシア軍の即時撤退とロシアとウクライナの対等な和平交渉の即時再開を求める。 併せて、日本政府が、唯一の戦争被爆国として、憲法9条を実践する平和外交に舵を切り、関係諸国へのイニシアティブを発揮することを求める。

 2022年3月4日 

滋賀県自治体労働組合総連合
執行委員長  杉  本   高